この美しい朝日から毎日が始まった。
サンペドロ・ラ・ラグーナ。
約二ヶ月の滞在となった。
ここでの出来事は全て過去になって私の心に残るのだろう。
この美しい村を明日、出ます。
ここでは学校に通い、
湖を眺め、
料理をし、
仲間と語らい、
誕生日を祝い、
夜遊びをし、
ポイをし、
ハンモックに揺られ、
編み物をし、
ミントティーを作り、
歌い、
踊り、
散歩したり。
毎日が生活となり、
時間はゆっくりと流れ、
子供達の笑顔に癒される。
沢山の人々に出会い、新たな刺激ももらった。
長くて短かった二ヶ月。
薄くて濃かった日々。
大きなカゴいっぱいのケーキを頭に乗せて売りに来るオバちゃんの笑顔。
宿の家の子供達の興奮気味の奇声。
学校の教室からの眺め。
道に寝てしまった酔っ払い。
クラブからの低音の響き。
トルティーヤを作る音。
コーヒー豆のカスが発酵した酸っぱい匂い。
湖畔に反射する月光。
仲間達との楽しい時間。
毎日が充実という言葉で締めくくられ、
新たな一日が始まる予感を感じさせる。
この村は暖かく包まれている。
隣の村、サン・ファンに行ってもそれは変わらず同じ時間が流れている。
ここへ来る旅人達もここの暖かさに魅了され癒される。
自然と温かな旅人達が集まり、
そこでは音楽が作られ、
世界が語られ、
苦しみを癒し、
共に成長し、
共に楽しむ。
いつものようにパッキングに悩まされ、
仲間達との別れが辛く、
この時間の流れが愛しく、
せつない。
明日、私はこの村を出ます。
次の目的地へ行く為にメキシコへ。
時間はゆるく流れながら過ぎていく。
どこへ行ってもそれは変わらない。
新しい時間へ。
新しい流れへ。