
左の小指の先っぽをザックーって切ってしまった。
切ったっていうか、削いだ。
てか、指の先っぽがパカーって二股になった。
血がダラダラ出て、しばらくしたら激痛でのたうちまわる状態に。
こりゃ、病院っすね。
てか、行かなきゃダメっしょ。
とシェアハウスのオーナーさんに言われて、車で病院まで送ってもらう。
夜中だったので、救急に。
夜も遅いし、待たされる時間も長いので、送ってくれたオーナーさんには帰って頂く。
一人で、待合室にて、血で染まったガーゼ片手に順番を待つ。
週末なので、酔っ払いの喧嘩や事故などの患者・警察・付添い人が・・・・。
友達が喧嘩で怪我をして、ここへ連れて来たという若者に絡まれる。
「どうしたの?」
「指切った。」
「どのくらい?」
「パカーって。(ガーゼ取ってチラ見させてあげる)」
若者の顔が苦痛の表情に変わる。
痛いの私。
「おまえっ、待ってないで早く診てくれって言った方がいいよ!」
うんうん、ありがとう。
でも、まだ我慢できる。
2時間ほど待たされて、ようやく診断。
医者になりたてのヒヨッコさんの女医さんに診てもらう。
「縫いましょうね。」
準備をパキパキと始め、指についた血を丁寧に拭いて、よーく患部を観察している。
その瞬間、女医さんの顔が微妙に変化するのを見逃さなかった!
「・・・ちょっと、待ってて。」
部屋を出て行ってしまう。
そしたら、先輩のドクターだと思われるインテリ風な女医さんと一緒に戻ってきた。
二人で患部を観察。
すると、先輩女医さんも首をひねっている。
「・・・・ちょっと失礼。」
また出て行ってしまった。
すると今度は、中年のいかにも私ドクターです!風の中年の医者が入ってきた。
三人で観察。
「この傷は、深すぎる。プラスティックサージェリー(整形手術)が必要かも。チームが今組めるかみてくるね。」
ギョギョギョです。
一気にテンション下がるわー。
すると、戻ってきたドクターは、
「今、この病院に専門のドクターがいないんだ。改めて専門医のいる病院を紹介するから、今日は縫って一度家に帰りなさい。」
そこで、中年ドクターとヒヨッコ女医さんが何やら、縫い方の相談を始める。
「大丈夫。心配しないで。」
と、言い残し中年ドクターは去っていった。
「じゃ、麻酔を打って、縫っていくわね。」
ヒヨッコ女医さんは、私を安心させようと、笑顔でお話してくれるし、素人が見ても丁寧な仕事してくれました。
だがっ!
縫い終わった瞬間に、部分麻酔が切れたらしく激痛がっ!
ズキズキっ、ドクドクっ!
「痛み止めを出すから、痛くなってきたら飲むのよ。」
「いっ、今すぐ下さい!!!いったーい!」
「ちょっと待ってて。他のお医者さんへの紹介文の作成と診察を記入してくるから。」
この状態でどのくらい待たされたのだろう。
歯を食いしばって痛みに耐える。
隣の部屋からは、寝ている患者のものすごいイビキが聞こえてくる。
なんか、一人ぼっちで途方に暮れる。
ようやく、痛み止めと紹介文をもらって病院をあとにする。
時計を見たら、朝4時過ぎ。
救急の扉を開けて外に出た。
そこには数名の若者が。
「君、先生?友達はいつまでかかりそう?」
「私、患者よ。」と言って、包帯グルグルの手を見せる。
「何したの?」
「手切った。」
このときも痛みで、フラフラ。
英語話す気分ではない・・・・のに、
「俺たち、パーティーしててさぁー、まぁ友達が酔っ払って怪我しちゃって・・・。あっ、まだパーティーしてるけど、来る?」
行かねぇーよっ。
と心の中でドついて、その場を去る。
そして昨日、専門医のいるおーっきな病院へ行ってきました。
とりあえず、不安だったので通訳をお願いする。
ここでは、多国籍な人々がたくさん暮しているので病院には無料で通訳を手配してくれるシステムがあるのだ。
この前の救急でも頼んだけど、なぜか来てくれなくて(電話通しての通訳もしてくれる)、結局診察終わっちまった。
「GPは?」とか専門用語多すぎて・・・。
(ちなみに、GPってかかりつけの医者って訳せばいいのかな。ここオーストラリアは、日本と違うシステムでまずはかかりつけの医者のいるメディカルセンターやクリニックに行って、症状で専門医を紹介してもらって病院に行くっていう方法らしい。)
「破傷風の注射」とか英語で言われて・・・・・???ですよね。
ちょっと、手術とか言ってたし・・・
不安。
医者に見せる前に、看護師さんが指に巻いてあった包帯を取ってくれたんだけど・・・・
血が固まって、ガーゼがこびりついてしまって、はがせない!
温水に付けてたりして、痛くないようにはがそうと努力してくれてる。
でも、引っ張られると・・・
激痛!
反対の手をグーにして、踏ん張る。
けど、涙出ちゃう。
痛いから、涙出ちゃう。
と、見せかけて・・・
不安で、一人ぼっちで、怖くて、泣けてきた。
看護師さんも涙こらえてる私見て、さらに優しくしてくれる。
やめて!優しくしないで!
もっと、泣いちゃう。
ウルウルしてたら、ようやくガーゼが取れた。
看護師さんも笑顔で「もう、これで大丈夫よ。」
ようやく、専門のお医者さんに診てもらえました。
結果。
小指の先の、プニプにしている部分が取れそうな感じの傷で、運よく骨までは到達してないので、肉の部分をくっつけないといけないと。
ただ、縫い合わせてあるけれど取れかかってる肉片がドス黒いから、もしかしたこのままその肉片は壊死していく可能性がある。
もう一つの可能性は、なんとか繋ぎ合わさっている部分はまだ肌色で生きているから、これからまた上の肉片が再生していくかも。
どちらせよ、もう一週間様子みて、再生していればそのまま。
壊死しかけているのならば、その肉片はとっぱらって皮膚移植か、そのまま肉が盛り上がってくるようにするか。
ですって。
まー、来週まで安静にしときなさいと。
はーい。ありがとうございました。
最後に、優しくしてくれた看護師さんすれ違ったので、
笑顔で「ありがとう。」って言いました。
やっぱり、大丈夫って思っていても、それは自分が思い込もうとしてただけなんだよね。
ちぇっ。
弱いねぇー、私。
でもでも、シドニーにいるお友達が心配してくれたり、世話を焼いてくれたりするのは本当にあがたい事です。
甘えたいときには、素直に甘えます・・・・・
つってー、強がっちゃう、ひねくれた私。
でも、コレは素直に・・・・・心から、助けてくれた人々に感謝です!
また、来週にどうなるか報告すんねー!
あのー、病院の帰り道に気づいたんですけど。
そうういえば・・・・・
通訳来なかった。
英語上達しています。